保育園看護師の仕事内容とは?一日のスケジュールをご紹介

保育園看護師

こんにちは。保育園看護師のにくすです。

突然ですが、あなたは「保育園看護師」を知っていましたか?

私は看護師の勤務先と言えば、病棟・クリニック・訪問看護・施設……くらいしか頭になく、転職活動をして初めて「保育園看護師」の存在を知りました。

そこで今回は、保育園看護師のイメージがつくように、私の実体験をもとに保育園看護師の仕事内容と一日のスケジュールをご紹介します!

にくす

 ≪ 保育園看護師 × FIRE ≫
資格:看護師・保健師・助産師
実習中に心が折れかけ、新卒で病棟に就職するも完全ポッキリで適応障害となり休職→退職。それから保育園看護師として勤めています。
保育園看護師という働き方や、資産形成について書いていきます。

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主な仕事内容

保育園看護師の主な仕事内容は、以下の4つです。

  • 園児の健康管理
  • 職員の健康管理
  • 健康指導
  • 保育補助

では、1つずつ詳しく紹介していきます!

園児の健康管理

これがメインのお仕事と言っても過言ではないでしょう。

保育園看護師の一番の役割は、園児の健康管理です!

健康観察・保健日誌

保育園は基本的に元気な子が登園していますが、風邪の引き始めの子、病み上がりの子もいます。
毎朝クラスを周り、子どもたちの健康状態の把握やお休みの状況を確認します。

これらの情報は、毎日保健日誌に記録します。

ケガの対応

転んだり、ぶつけたり、お友だちとトラブルになって手を出されてしまったり……。
子どもたちにケガはつきものです。ケガをした部位を洗い、ばんそうこうを貼る、ぶつけたところを冷やすなどの簡単な処置を行います。

基本的に園で医療的な処置は行いません。そのため、園での応急処置だけで大丈夫なのか、傷口に砂が残っていないかや、転んだときに口をぶつけている場合は歯が揺れていないかなど、細やかな観察が必要です。

体調不良児の対応

主な体調不良は発熱、下痢、嘔吐です。

熱は37.5℃を目安に、咳や鼻水などの症状がないか、活気や食欲はあるかなど全身状態を確認し、必要に応じて保護者にお迎えの連絡をします。

下痢があったときは保育士から呼ばれ、下痢の性状や量、におい、子どもの体調を確認します。2回以上下痢が続く場合や、体調不良を伴う場合は保護者にお迎えの連絡をします。

嘔吐があったときも保育士から呼ばれ、保育士と連携し、すぐに嘔吐物の処理をします。同時に子どもの体調を確認します。下痢と同様、2回以上の嘔吐が続く場合や、体調不良を伴う場合は保護者にお迎えの連絡をします。

受診の対応

保育園内で起きたケガの場合、ケガの状況によって園で病院に連れていくことがあります。
まずは保護者へ連絡し、受診の許可を得てから徒歩やタクシーなどで受診します。

様子見で大丈夫!なことが多いですが、その後も通院が必要になることもあります。その場合は保育園で連れて行くことになります。

保護者から希望があれば、条件を満たしていれば保育園が加入している保険が下りるため、その手続きをすることもあります。

内科健診・歯科健診の補助

嘱託医が年に2回来て、全園児の内科健診や歯科健診をします。
0歳児クラスのみ毎月内科健診があります。

内科健診では医師が視診と聴診をし、健康状態や発達をみます。
あらかじめ内科健診のお知らせを出しておき、保護者から子どもの健康状態や発達で気になることの相談があった場合は医師に伝えてみてもらいます。

歯科健診では医師が虫歯や歯並び、嚙み合わせなどの口腔状態をみます。
虫歯などの気になる状態があった場合は保護者へ通知し、歯科受診を勧めます。

看護師は医師との日程調整や診療の補助、結果の記録、保護者への通知を行います。
歯科健診の記録は軽く勉強してからのほうが、記録に戸惑わなくて済むのでおすすめです。

身体測定・視力検査

身体測定は月に1回、全園児の身長と体重を計測します。
気になる子はカウプ指数や成長曲線を用いて経過観察をします。
保護者から相談を受けることもあります。

視力検査は3歳児クラス以上に年に2回行います。3歳児以上を対象とする理由は、視力検査のやり方がわかるようになることと、3歳頃に大人と同じ視力になると言われているためです。
やり方がわからなくなった、集中力が切れてしまったなどの理由で低く数値が出てしまうこともありますが、弱視の早期発見・早期治療のために大事なスクリーニングとなります。
視力が低い場合は保護者に通知し、眼科受診を勧めます。

与薬

保育園では基本的に薬は預かりません。しかし、アトピー性皮膚炎などの治療のために薬を預かることがあります。違う子に薬を使うことがないように、本人確認に注意しましょう。

行事の救護係

保育園では、運動会、遠足、お泊まり会など、様々な行事があります。
子どもたちの楽しい思い出にしてもらうためにも、救護係は大事な役割です。
他にも、入園式、お遊戯会、卒園式などの緊張してしまう場面でも体調不良が起こりえますので、すぐ対応できるように出席します。

登園許可証のチェック

インフルエンザやおたふく風邪、水ぼうそうなどの感染症は、医師から登園許可が出るまで出席停止となります。登園時に登園許可証が必要となるので、それを確認してからの受け入れとなります。

インフルエンザに関しては、自治体によっては医療機関のひっ迫を回避するため、今まで医師から治癒証明のサインをもらっていたのを、保護者の判断のみで登園できるようになりました。
「発症日から5日間経過し、かつ、解熱後3日を経過後から療養解除」という条件をクリアしているか、看護師がしっかり確認する必要があります。

衛生用品の補充

石鹸やアルコール、消毒液、手袋、嘔吐処理セット、救急箱の中身などの衛生用品の補充や発注をします。

職員の健康管理

保育園看護師は、園児だけでなく職員の健康管理も行います。

検便

保育園では食中毒や感染症予防のため、食事の提供に関わる職員に対して定期的な検便が義務付けられています。非常勤職員を含め、全員の検便を毎月行っている園もあれば、給食職員や調乳職員のみ行っている園もあるようです。私の勤務している園では、非常勤職員を含め、配膳や食事介助を行うため全員が検便を実施しています。

看護師は、毎月検便の容器を全職員に配り、回収と業者への郵送を行います。

健康診断・予防接種

職員は年に1回、健康診断を行います。
年齢により必要な項目が変わるため、必要な健診が受けられるよう促します。

園によっては福利厚生でインフルエンザの予防接種を受けられるようです。
私の勤務する園では、嘱託医が園で職員のインフルエンザの予防接種をしてくれるため、日程調整や補助を行います。

健康指導

健康に関する知識を子どもたち、保護者、職員に伝える役割もあります。

健康教育

子どもたちに、自分の体を知ってもらったり自分で健康を保てるように、様々な教育を行います。

例えば、手洗いの方法、うがいの方法、なぜ風邪をひくのか、虫歯や歯磨き、目の大切さ、熱中症、虫刺されなどです。

最近はプライベートゾーンや命の大切さなど、性教育も行っています。

保健だより

毎月テーマを決めて保健だよりを発行しています。4月は生活リズムについて、7月は夏の感染症について、12月はインフルエンザについてなどです。

保健だよりでは、その月に行う保健行事(健康教育や身体測定、健診など)の予定をお伝えしつつ、保護者への健康指導をしていることになります。

職員研修

一日子どもたちと一緒にいて、子どもたちの様子を間近で見ているのは保育士です。
その保育士さんたちが、子どもの健康状態の変化にいち早く気づけたり、感染症が広がらないように対処できたりするように、研修を行います。

具体的には、各感染症について、アレルギーについて、救急救命について、熱性けいれんについて、嘔吐処理方法についてなどがあります。

保育補助

保育士のように子どもたちと触れ合う時間もあります。

0歳児の保育補助

保育園では、看護師を1人に限り、保育士とみなすことができます。そのため、みなし保育士としてクラスの担任になることがあります。基本的に0歳児クラスの担任になることが多いです。

担任として配置されない園でも、子どもたちが落ち着かない春は特に、0歳や1歳の保育補助に入ることが多くなります。

行事に参加

行事の救護係とは別に、行事に参加することもあります。

クリスマス会や節分では、担任の保育士は子どもたちのそばで会を盛り上げ、看護師や事務職員がサンタさんや鬼に扮しています。

お遊戯会では救護係も兼ね備えつつ、実は裏方で大活躍をしています。笑

その他

主な4つの仕事以外にもお仕事はあります。

看護師会

保育園にいる看護師は1名だけの園が多いですが、同じ自治体や同じ法人の保育園看護師と情報交換ができる会が年に3,4回あります。

たくさんの保育園看護師と知り合えますので、困ったことがあればいつでも相談できます。

感染症・事故報告

感染症の流行があったときや、受診を伴う事故があったときは、報告書を作成して自治体や保健所に報告をします。

 

一日のスケジュール

保育園看護師のある一日のスケジュール
  • 8:30
    ~9:00
    出勤・朝礼

    動きやすい服装・エプロンに着替えて出勤します。

    各学年から保育士1名・事務職員・看護師・栄養士が集まり朝礼をします。
    前日・早番の申し送り、当日の行事の予定等を共有します。
    看護師は、園内の感染状況や保健行事についてお知らせをします。

  • 9:00
    ~9:30
    園児の健康観察

    各クラスを周り、子どもたちの健康状態の把握やお休みの状況を確認します。

  • 9:30
    ~12:00
    0歳児クラスの保育補助・保健日誌

    朝のおやつ、昼食は手が必要になるので保育補助に入ることが多いです。
    日中の活動の時間は保育室から出て、保健日誌などの事務作業を行います。

  • 12:00
    ~12:30
    与薬

    午睡前にアトピー性皮膚炎などの子のスキンケアに行きます。
    学年により午睡に入る時間が違うため、タイミングを見て行きます。

  • 12:30
    ~13:30
    昼食・休憩

    子どもたちが寝ている時間は落ち着いているため、その間に食事と休憩をとります。

  • 13:30
    ~15:00
    衛生用品の補充・事務作業

    子どもたちを起こさないようにしながら、各部屋を周り、石鹸や消毒液、救急箱の中身を補充などをします。

    空いた時間は保健だよりの作成、健康指導の計画作成、身体測定の記録の入力などの事務作業を行います。

  • 15:00
    ~16:30
    0歳児クラスの保育補助

    午睡明けからオムツ交換、おやつの補助を行います。
    その後は保育室の清掃をし、帰りの会となります。

  • 16:30
    ~17:00
    事務作業・退勤

    一日の中で体調不良児や早退児がいた場合は保健日誌に書き足します。
    その他、事務作業の続きを行います。

  • 17:00
    退勤

    身の回りの整理整頓を済ませ、着替えて退勤します。
    体調不良児がいる場合はお迎えまで残業となることもあります。

にくす
にくす

このスケジュールをベースに、身体測定をする日があったり、健康指導をする日があったりするよ。体調不良の子がいるときは看護師が対応をするので、保育補助は他の人にお願いするんだ。

 

保育園看護師の特徴

保育園看護師の仕事の特徴は、3つあります。

  1. 規則的な勤務ができる
  2. 自分のペースで働ける
  3. 医療行為がない

規則的な勤務ができる

一番の特徴として挙げられるのが、規則的な勤務ができることでしょう。

夜勤がなく、残業もほとんどありません。子どもが体調不良の場合や、退勤前に受診となった場合は残業になることもありますが、職員数に余裕があれば他の職員が代わりに対応してくれるため、必ず残業になるわけではありません。

また、基本的に土曜・日曜・祝日はお休みとなるため、プライベートの予定が立てやすいです。
保育園には夏休みや冬休みはないですが、夏の期間に数日、冬の期間に数日、それぞれ休暇を取ることができます。年末年始もお休みとなります。

にくす
にくす

運動会などの行事で土曜出勤になることもあるけど、代休がもらえるので大丈夫!

自分のペースで働ける

ほとんどの保育園で看護師は1人しかいません。保健日誌の作成や保健だよりの作成、健康指導の計画など、自分のみの仕事となります。そのため、期日までに仕事が終わるように、自分で仕事配分を考えて働くことができます。自分の進捗をいちいちチェックされたり、口出しされたりすることがないので、かなり気楽です。

ただし、自分で計画を立てて進めていかなければいけないので、油断しているとギリギリになって慌ててやらなければならなくなるため注意が必要です。

医療行為がない

保育園には医師がおらず基本的に健康的な子どもが来るため、医療機関のように医療行為を行う機会はほとんどありません。そのため、臨床経験の浅い看護師さんや、ブランクのある看護師さんなど、看護技術に自信がなくても問題ないです。時々子どもの体調不良やケガもありますが、緊急なものは滅多にないため、心も体も穏やかに働くことができます。

逆に、医療と関わっていたい、バリバリ働きたいという方には、少し物足りなく感じてしまうかもしれません。

 

おわりに

今回は保育園の仕事内容や一日のスケジュールをご紹介しました。

保育園看護師とはどんな仕事なのか、伝わったでしょうか?
保育園看護師に興味のある方のお役に立てていたら嬉しいです。

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